適応障害の発症に大きく関わるストレス│病気生活からの脱出

環境の変化が引き金に

医師と患者

海外で発症する事も

日本国内にいるとあまり気が付きませんが、海外に行くと、日本と全く生活文化が異なることに嫌でも直面します。日本にいると、その国の良い所、目立つところしか見聞きしないので、頭のなかで美化されていたその国に実際に足を踏み入れて、その国の実際の姿を見た時に、強いショックを受けることがあります。パリ症候群として知られる一連の障害は、適応障害の一種と考えられています。パリといえば芸術の都、流行の最先端と昔から言われていますので、ついつい美しい光景ばかりを思い浮かべてしまいがちですが、やはり言語や文化が違うので、戸惑うことも多くなります。また、フランスは日本と同じで、英語が通じにくい国です。日常生活の中でフランス語で話をされるケースもあるので、意思疎通が出来ないということが、ストレスになります。それらが積み重なって、パリに行った人が適応障害になってしまうようです。この症状はパリに来た観光客、ビジネスマン、留学生といった幅広い人達に発症する可能性があるものです。これはフランスに特化したことではなく、多くの国で起こりえる現象です。

高齢者の適応障害

適応障害になる人のイメージというと、若くて繊細で、仕事が忙しい人を思い浮かべるかもしれません。しかし最近、高齢者の適応障害が増えていると言われています。通常人間は、30代から40代あたりが壮年期といって、気力や体力、知力ともに充実していると言われていて、さらに精力的に活動できるのが一般的です。それを過ぎると、中年、そして高年期と呼ばれるいわゆる老人となっていきます。この過程で、体力が落ちていき、昔のように動けない自分に気が付かされます。また、日本では60歳を過ぎた辺りから定年退職となり、仕事を辞めて余生を過ごすようになります。こうなると、今まで仕事をしていた人が、急に何もしなくて良い環境になります。家で奥様や親と一緒に過ごすのは慣れないもので、色々なストレスが生じます。また、更に高齢になり、老人介護施設などに入ると、自宅とは違う環境になりますので、これもまた大きなストレスです。このように、高齢者は、若い世代と違った理由から適応障害になりやすい環境にあるといえます。

幸せな結婚のはずが

冠婚葬祭の婚である結婚は、人生の一大イベントの1つです。最近は離婚も珍しくはないとはいえ、やはり結婚というものが人生で大きなウェイトを占めているのは言うまでもないでしょう。幸せな生活が始まると思っていたその時、適応障害で苦しんでしまう方がいるようです。結婚というのは、それまで他人同士だった人同士が、同じ屋根の下で暮らすようになります。結婚相手の家族次第では、義理の親兄弟との生活も始まるかもしれません。今まで1人、もしくは自分の家族と暮らしてきた人にとって、これは大きな問題です。食事の好みも違えば起床時間や就寝時間、見るテレビの内容や食卓の話題も違うでしょう。最近は国際結婚も増えていますから、ひょっとすると話す言葉すら違うかもしれません。これだけの変化が一度に訪れるのですから、適応障害になりやすいといえます。女性に限らず、男性でも、またどんなに本人がストレスと感じていなくても結婚後に適応障害になることはあるのです。そのため、何か普段と違っていると感じたら、念のため医療機関への受診をしておきましょう。